東京諸島における“未来のタネ”の発表会。『カタルシマ』が今年も開催されました。
2022/01/05
「カタルシマ」というイベントをご存知でしょうか。2016年から毎年1回行われてきた、東京諸島の若者たちが集い語るイベントです。今回は6回目の開催。主催は私が別で運営している一般社団法人アットアイランド。『東京諸島の個と和が続く島づくり』が理念の地域づくり法人です。
2020年、2021年はコロナの影響もありオンラインでの開催となっていますが、「これから何か挑戦してみたい!挑戦しているけど悩んでいる」などといった状態の若者たちが、島の壁を超えて想いを交換するという、他にあまり類をみない系統のイベントです。東京諸島に散らばる“未来に繋がるワクワク”をシェアする機会。東京都離島区としても親和性が高いイベントだと思うので、共有していきたいと思います。
カタルシマ流の場創り
このイベントで大切にしていることは、“完成されたかっこいいプレゼン”でなくて良いということ。むしろ、構想段階でも完璧じゃなくても、言葉にして出してみることで整理され、実現に向けた動きが促進されるのでは、という想いが強いイベント。
その上で重要視していることは、この場が「安心できる場」であること。なので、聴講者も含めてグランドルールを設けています。勇気を出して心の中の想いを言葉として生み出した方々を、受け入れる環境づくりを意識しています。
さらには、この場が一方通行で終わらないために、聴いていた方々がフィードバックをする仕組みを設けています。こうすることで、他の参加者含めて「聴く」ことに集中し、カタルシマー(プレゼンター)にも客観的なリアクションがプレゼントされ、次への励みになります。今回も、カタルシマーに対してのたくさんのフィードバックが飛び交い、盛り上がりました。
前置きが長くなりましたが、今回のカタルシマーさんたちがどの様なお話をしてくれたのかを紹介していきたいと思います。本編をじっくり観たいという方には、この記事の最後にカタルシマのアーカイブ動画を掲載しますので、そちらをご覧ください。
青沼 宏樹さん 〜笑顔が繋ぐモノ〜
新島出身の青沼宏樹さん。2021年に、教員・青年海外協力隊・学童指導員を経て、動画クリエイターとしてUターンされました。もともと映像関係の仕事をしていたわけではない彼が、なぜ動画クリエイターとして地元新島での事業に挑戦することになったのか、その決意の経緯と想い、そしてこれからの展望を語ってくれました。
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大澤 萌さん 〜島でやってること、やりたいこと〜
八丈島出身で2020年に八丈島へUターンした大澤萌さん。カタルシマには毎年参加してくれていて、どんどん新しい生き方を更新してくれています。大澤さんは八丈島にUターンし飲食店を開業したり、フェスを企画したりと精力的に事業を進めています。その過程で得た学びや教訓、これからも島で生きていくために大切な自分なりのスタンスなどを共有してくれました。その上で、これからの未来についても、自分軸を大切にしながら明るく語ってくれました。
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櫻井 浩司さん 〜島の新たなおみやげ、そして文化の創出を目指して地サイダーを販売する計画〜
新島出身で2016年に新島にUターンした櫻井浩司さん。櫻井さんは現在、株式会社宮原 新島酒蒸留所に就職し勤務しています。その傍ら、個人として新しい島のお土産をづくりを計画しており、その商品づくりへの想いや過程を共有してくれました。まさにこれからのチャレンジという段階でのお話だったので、リアリティがあり参加者からのフィードバックやコラボレーションの投げかけなども活発に巻き起こりました。
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鈴木 和師 〜祖母の宿を再生したい若者が行っている3つのこと〜
神津島出身の鈴木和師さんは、15歳の時に本土への憧れから上京し、現在は、全国でホテルの運営やコンサルティングを行う株式会社L&Gへ入社し、「CHILLNN」という宿が利用する直接予約エンジンの開発部門に移籍し活躍されています。この会社を選んだ理由や、閉業してしまった神津島の実家である民宿への想いを共有してくれました。そして人生を賭けて目指したい『スポーツで東京諸島の子どもたちが夢を追える環境を創りたい』という目標についても決意やそのための行動を、冷静に且つ熱く語ってくれました。
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山下 優 〜ワタシとシマ〜
伊豆大島出身の山下優さんは伊豆大島にUターンし、『家守会社YADORI 代表×山下農園×一般社団法人ぶらっとハウス理事』といういくつもの生業を掛け合わせるライフスタイルをされています。島での生活は成り行きに任せつつも、自らの豊かなライフスタイルをかけ合わせの中で実現していく過程を、熱く語ってくれました。自分軸でありながらも、伊豆大島の一次産業の担い手不足や空き家の増加などの課題感を、自らの行動を持って解決していく草の根活動家な山下さん。今後に控えるプロジェクトも共有してくれました。
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山下 柚月 〜高校生に島に希望を持ってもらうには?〜
伊豆大島出身・在住で、現在は大島高校の3年生である山下柚月さん。カタルシマでは初めての高校生カタルシマーとなりました。山下さんは、コロナウイルスでの休校を機に、観光でのお客さんが来れない中で自分に何ができるのか、と考えた結果、Twitterでの情報発信をはじめました。過去の土砂災害なども経験した中で、防災の重要性を考え高校生にして防災士の資格を取得し、来春からは海上自衛官としての道が決まっています。授業の中で、高校生の島に対する意識のアンケートを実施した経緯があり、その結果を受けてのこれからの大島に対する考察と想いを語ってくれました。
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まとめ
今回も年齢も島もバラバラな若者たちが集まり、想いを共有する会となりました。参加者同士のフィードバックやポジティブな声かけも多く飛び交っており、こういった「それいいね!」から始まるコミュニケーションが活性化することが、小さくとも東京諸島の豊かな未来への一歩となるのでは、と思います。「次は高校生版のカタルシマも?」というスピンアウト企画のお話も浮上。その時はまたご紹介したいと思います。(記:伊藤奨)
動画アーカイブ
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